食中毒の原因になる細菌やウイルスにはサルモネラ菌や腸管出血性大腸菌、ノロウイルスやE型肝炎ウイルスなど様々なものが存在します。腸管出血性大腸菌にはO157やO111などがあり、食後12時間から60時間で激しい下痢や腹痛が起こります。血が多く混ざった下痢になったり、症状が重いと命に関わることもあるので注意しなければなりません。食品を扱う企業は適切な温度管理によって細菌やウイルスの繁殖を抑える必要があります。

温度管理を怠って食中毒などのトラブルが起きると、企業の社会的な評価が低下して営業活動にも大きな影響を及ぼします。食品を扱う企業には適切な温度管理が求められており、日本では2021年6月からHACCPという衛生手法の導入と運用が義務付けられました。この手法はハサップと呼ばれていて、原材料の仕入れから出荷までの全工程と全製品が管理対象とされます。微生物や化学物質、異物など危害要因による健康被害を予測して具体的な管理方法を定めて事業所全体でリスク管理を行うのが特徴です。

健康被害の防止につながる加熱や冷却などの工程は重要管理点とされ、厳格な基準に基づいた連続的かつ継続的な監視と記録が行われます。HACCPを導入して全ての工程で適切な温度管理を行えば、危険な細菌やウイルスの繁殖を防ぐことができます。サルモネラ菌やノロウイルスなど食中毒の原因となる細菌やウイルスは、熱に弱いため適切な温度管理を行うことが大切です。多くの企業がHACCPを導入して全ての工程と製品を対象とした徹底的な衛生管理を行い、食品の安全性を確保しています。