春になり気温も段々と高くなってきました。これから梅雨の時期に入ってくると、例年食中毒事故が多く発生する時期に入ってきます。日本では、食中毒を防止するために様々な衛生管理手法が考案されてきました。その中でも最も基本的な衛生管理手法がHACCPなのです。

もともとこのHACCPとは、アメリカのNASAが考案した食品事故を絶対に起こさせないために考案されたシステムです。宇宙飛行士がロケットで宇宙に行った時に、当然宇宙では医者や十分な薬はありません。そのため、宇宙食を製造する時に絶対に食中毒や異物混入などの食品事故を発生させないために考案されたのです。では、このHACCPシステムがどういったものなのか、概略を説明致します。

まず、その食品が製造される際に、どういった工程を踏むのか分析を行います。そして、その工程ごとにどういった危害が起こりえるのか分析を行います。そして、その危害を防止するためにどのような管理を行えばいいのか、管理手法を設定するのです。そして、その中でも特に重要な工程での管理ポイントを、重要管理点として設定し、その工程を徹底し管理していく手法なのです。

従来の管理はできた製品を検査することで安全性を担保してきましたが、この管理手法では全ロットの安全性を担保することはできませんでした。この弱点をこのHACCPという管理手法は改善したのです。そのため、多くの企業がこの衛生管理手法を取り入れているのです。